現在のソウル市庁舎前の映像です。多くの人々が集まってきています。梨泰院(イテウォン)で150人以上が犠牲になった事故から、5日で1週間。犠牲者を追悼するとともに政府や警察に抗議する集会が始まっています。未曽有の大惨事を巡っては、警察が現場への到着時間を偽って報告していたことが報じられるなど、国民の怒りが日増しに高まっています。
事故に巻き込まれ亡くなった冨川芽生さん(26)。5日午後、冨川さんの遺体が自宅のある北海道に到着しました。
日本人2人を含む156人が犠牲となったソウル・梨泰院の雑踏事故。発生から5日で1週間です。
追悼に訪れた人:「人が集まるところには行かないつもりです。今後、梨泰院に遊びに来ることがあっても楽しい気持ちばかりではない気がします」
事故を受けて定められた「国家追悼期間」は5日が最終日。ソウルでは犠牲者の追悼、そして、政府や警察に対する「抗議デモ」が行われています。
国民の不信感は強まるばかり…。5日も新たな事実が発覚しました。
韓国警察庁・尹熙根長官:「二度とこのような事故が繰り返されないよう警察の役割と責任を果たします」
韓国警察庁のトップ・尹煕根(ユン・ヒグン)長官が事故を認知するのに、時間がかかった問題。
梨泰院で事故が起きたのは先月29日の午後10時15分ごろ。警察庁の担当者が11時半すぎに報告を試みましたが、反応はなく、尹長官が事故を知ったのは、発生の2時間後だったといいます。指揮を執り始めたのはさらに2時間後。この対応の遅さが被害の拡大につながったとも指摘されていますが…。
尹長官はこの日休日で、知人らとキャンプに出掛け、酒を飲み、午後11時ごろには眠っていたことが分かりました。
韓国メディア:「3年ぶりにマスクなしのハロウィンを迎え、危険を予想できなかったわけでもない。酒を飲み、連絡もとれないのは不適切な行動だ」
さらに…。
事故の対応を巡って更迭された、梨泰院を管轄する龍山(ヨンサン)警察署の李林宰(イ・イムジェ)前署長。
当初、事故発生の5分後、午後10時20分ごろに現場に着いたと報告されていましたが、実際に到着したのは1時間近く経過した午後11時5分ごろ、つまり「報告は虚偽だった」と複数の韓国メディアが報じています。
なぜ1時間近くもかかったのでしょうか。あるメディアは「車両で現場に接近するのが難しいなか、歩けば10分かからない距離を署長は車で行くことにこだわった」と伝えています。
次々と明らかになる警察のずさんな対応…。
ソウル市庁舎の前で、5日午後から始まった追悼と抗議のデモは現在も続いています。
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