今や私たちの生活に欠かせない、プラスチック。
暮らしを支える一方で、年間約800万トンのプラスチックごみが海に流出するとされるなど、環境汚染や地球温暖化への影響が世界的に深刻な問題となっています。
そんな中、ある挑戦で話題となった男性がいます。
◆廣瀬智之さん
「おはようございます。よろしくお願いします」
福岡市に住む、廣瀬智之さんです。
廣瀬さんが挑戦した、あることとはー。
◆YouTubeより「1ヵ月プラなし生活」
「お疲れっす。僕は1カ月、使い捨てプラスチックを使わずに生活する人。トイレットペーパーのバラ売り見つけたり、個包装されていない八百屋を見つけたりして…(中略)頑張りますので、応援、いいね、コメントの程、よろしくお願いします」
そう、廣瀬さんが挑戦したのは、使い捨てプラスチックを使わない「脱プラ生活」。
7月から1カ月、家具・家電以外のプラスチック製品を一切使わずに生活しました。
その動画をYouTubeで配信。
総再生回数は約2800万回!
大きな反響を呼びました。
脱プラ生活、その暮らしぶりを詳しく聞いてみると。
◆廣瀬智之さん
「コンタクトはプラ包装されているし、素材もプラスチックなので、じゃあ眼鏡にかえようと」
さらにこんなモノも脱プラです。
◆廣瀬智之さん
「豚の毛でできている歯ブラシなので、柄も竹なので」
そして-
◆廣瀬智之さん
「蜜蝋ラップです。使い捨てない、繰り返し使えるラップ」
学生時代からジャーナリスト志望だった廣瀬さん。
26歳で社会問題の発信と解決に取り組む会社「ライスメディア」を起業、SNSや動画サイトを通じて、社会問題を学べる1分間の動画を配信しています。
この活動のひとつが、1カ月の脱プラ生活でした。
◆廣瀬智之さん
「始めた当初はしんどくて、いつまで続くのだろうかという感じだったが、後半は体が習慣化して当たり前になった」
今もできる範囲で脱プラ生活を続けている廣瀬さん。
この日は、脱プラ生活で苦労する食材の買い出しに同行しました。
<精肉店で買い物>
◆廣瀬智之さん
「切り身を200g。これにお願いします」
◆リポーター
「その容器は何ですか?」
◆廣瀬智之さん
「これはシリコンの容器で、使い捨てないシリコン容器ですね」
◆リポーター
「いつも持参しているんですか?」
◆廣瀬智之さん
「そうですね」
エコバックを持ち歩くのは当然ですが、精肉の受け渡しで包まれるビニールも脱プラ生活ではNGです。
◆廣瀬智之さん
「(肉が入ったシリコン容器を見せて)こんな感じです。お肉屋さんの中でも(容器持参は)いけないところもあるので、電話したり、検索したり、メッセージ送ったりして(店を)見つける感じになります」
◆リポーター
「容器を持参する方って結構います?」
◆「かわむら精肉店」河村陽子さん
「いないです。(プラは)なかなか生活から外せないものなので、(脱プラを)実践しているのですごいなと思った」
続いて訪れたのは、少し珍しい店。
◆廣瀬智之さん
「みりんを買いたいんですけど」
◆店員
「持ってきてますか?」
◆廣瀬智之さん
「持ってきています」
取り出したのは、持参した小さな瓶。
◆廣瀬智之さん
「こちらがみりんです。『酒みりん』と言って、お酒にもみりんにも使える。一石二鳥な」
この店は、みりんや醤油などの調味料や洗剤など、ありとあらゆるものを量り売りする専門店。
◆廣瀬智之さん
「調味料は、スーパーではほとんどプラスチックフリーで買えるものがない。本体が瓶でもフタがプラスチックだったりする」
こうして必要なものを必要な分だけ容器に入れ、購入します。
もちろん料理も、脱プラです。
注目は生ごみ処理。
生ごみはビニール袋にまとめがちですが、廣瀬さんが取り出したのは…バッグ。
◆廣瀬智之さん
「生ごみを処理するコンポストになってまして、ここに捨てて混ぜて置いておくと、微生物が分解してくれるので、2週間くらいしたら分解されて(生ごみが)無くなって、最後は栄養価のある土になる。畑とかやってる人はそれをまいたり、観葉植物に使ったり」
脱プラ生活を通じて廣瀬さんが痛感したことは…
◆廣瀬智之さん
「缶の飲み物も内側にプラスチックコーティングが使われている。紙パックも純粋な紙だと(中身が)漏れてしまうのでコーティングされている。それを含めると何も買えなくなる」
廣瀬さんは、プラスチックに依存する社会を改めて認識、それを踏まえたエコ活動を発信し続け、さまざまな社会問題の興味を持つ糸口になれればと考えています。
◆廣瀬智之さん
「プラスチックが悪とは思っていない。ただ一方で、引き起こされている問題があるのも事実なので、(プラを)減らしていくということは大切だし、どう付き合っていくのかっていうことがすごく大切なことなのかなと思っています」