29日、韓国・ソウルの繁華街・梨泰院で154人が死亡した転倒事故で、直前に撮影された映像には危険な状態を示す人の動きが映っていました。
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身動きが取れないほど人が殺到した韓国・梨泰院。なぜ150人以上もの犠牲者が出てしまったのでしょうか。
群衆事故に詳しい関西大学社会安全学部・川口寿裕教授
「連鎖的に、どんどん倒れ込んでいくという事故」
集まった人たちが波打つように揺れる現象も撮影されました。当時の映像からわかることとは――
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事故が起きた29日、韓国在住の日本人男性が現場付近の様子を撮影していました。
「もうすぐ、メインに向かう曲がり角だと思うんだけどな」
男性がやってきたのは――
「ここからは『世界グルメ通り』といって、梨泰院のメインストリートです」
事故の2時間半前、梨泰院には多くの人が訪れていました。そして、事故の2時間15分前、男性は事故現場付近にいました。
「なんかもう横道に押し出されました。もはや」
男性が押し出された坂道こそ、この後、悲劇が起きる道です。この時は右側通行で普通に歩くことができましたが、坂を上っていこうとする多くの人の姿がありました。
さらに、現場近くの駅からは、新たに梨泰院を訪れる人が出てきていました。
「地下鉄の出口なんですけど、まだ続々と人が出てきます」
その後、男性は梨泰院のメインストリートの逆側に回りました。徐々に前も後ろも“すし詰め状態”になり、身動きが取れなくなってきます。
そして、事故の1時間15分前、ある現象が…。集まった人たちが、波のように左右に動いていたのです。
「なんか人混みに押されているんですけど」
徐々に不穏な空気になってくる現場周辺。「Go Back!(戻れ!)」と叫ぶ外国人男性の手前には、苦しそうな表情の女性もいました。
この後、撮影者の男性は引き返しましたが、事故直前とみられる現場付近で撮影された映像には、群衆が波打つように動いている様子が映っていました。これこそ事故が起きうる危険な状態で、関西大学社会安全学部・川口寿裕教授は「人と人が密着した時にこうした動きが発生し、大人の男性でも自分の意思とは関係なく動いてしまう状態だ」といいます。
そして、29日午後10時すぎ、梨泰院のメインストリートと大通りを結ぶ坂道で事故が発生しました。映像には坂の上の人に戻るよう促す姿や、倒れた人を助けるため、引っ張り出そうとする様子も映っていました。
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韓国・梨泰院で起きた154人が死亡する事故について、川口寿裕教授は「人が次々と雪崩のように倒れる『群衆雪崩』が発生したと考えられ、人が波打つ現象が起きる時は『群衆雪崩』が発生する条件を満たしている時だ」と話します。
(2022年10月31日放送「news every.」より)
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