先月就任したばかりのイギリスのトラス首相に、スピード辞任を求める声が噴出。イギリス史上最も短い首相となる可能性も指摘されています。一体何が起きているのでしょうか。
「トラス生き残りをかけて戦う」「政権崩壊時間切れ」「ハゲタカが舞っている。だがトラスは辞任しない」
イギリスの新聞各紙を飾る見出しです。イギリスで3人目の女性首相に就任して、わずか40日余り。
トラス政権、早くも瀬戸際に立たされています。
生前のエリザベス女王に謁見し首相に任命されたのは先月の6日。力強く改革を訴えていました。
イギリス、トラス首相:「今こそイギリスの足を引っ張っている問題に取り組む時です」
ただ、エリザベス女王の国葬を終えたトラス政権を待ち受けていたのは激しい反発でした。原因はトラス首相が打ち出した経済対策です。
イギリス、トラス首相:「減税と改革で経済を成長させる大胆な計画を持っています」
経済対策の柱は、大幅減税。しかし、財政悪化の懸念からポンドと国債は急落しました。さらに…。
日本円にして年収およそ2400万円以上の高所得者向けの減税が盛り込まれていることも反発を呼びました。
結局、経済対策を公表してわずか10日後の今月3日に高所得者向けの減税を撤回。
14日には財務相を解任し法人税の増税中止も撤回しました。
アメリカ、バイデン大統領:「予測はできていた。減税案が間違いだと思っていたのは私だけではない」
さらに、新しく就任したハント財務相は…。
イギリス、ハント新財務相:「3週間前に発表した税制案のほぼすべてを撤回します」
ただ、この異例のUターンに与党・保守党の一部からは今週中の辞任を求める声も上がっています。
イギリス、トラス首相:「間違いは申し訳なく思っていますが、修正をしました。私たちは国民のための職務に集中すべきです」
対して、トラス首相は辞任する考えはないと明言しています。
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