プーチン大統領がドネツク州など4つの州の併合宣言をした翌日に、ロシアは、東部ドネツク州の“拠点”を一つ失いました。こうした事態に、ロシア国内の強硬派からは、不穏な主張も出ています。
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1日、ウクライナ東部ドネツク州・リマンの庁舎で、ウクライナの兵士たちが「リマンを解放した」「ウクライナ軍部隊に栄光あれ! 栄光あれ! 栄光あれ!」と気勢を上げていました。そして、屋上からは、ロシア国旗を投げ捨てました。ロシア側が今年5月から占領してきたリマンを、ウクライナが奪還したのです。
警察署に親ロシア派が掲げた看板も引きはがし、「ウクライナの警察が戻ってくる。栄光あれ!」とカメラに向かって話すウクライナ軍兵士の姿もありました。
ロシア国防省も、ウクライナ側に包囲されるとして「リマンから撤退した」と発表。ロシアは、東部ドネツク州の“拠点”を一つ失いました。
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9月30日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ・ドネツク州を含む4つの州で住民投票を強行し、一方的に併合を宣言しました。
ロシア プーチン大統領
「ルガンスク(ルハンシク)、ドネツク、ヘルソン、ザポロジエ(ザポリージャ)の住民はロシアの国民となる。永遠に!」と
しかし、その翌日の10月1日、ドネツク州リマンの拠点を失う結果となりました。
リマンは主要な鉄道の分岐点で、ドネツク州におけるロシア軍の後方支援や輸送を担う「戦略的に重要な場所」でした。さらに、ウクライナ軍は、ウクライナ南部ヘルソン州でも「新たに2つの集落を奪還した」と発表しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、「この1週間、ドンバス地方では、ウクライナの国旗が増えた。1週間後にはさらに増える」とSNSで発信し、攻勢を続けると強調しました。
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また一つ拠点を失ったロシア。国内の強硬派からは、不穏な主張も出ています。
1日、プーチン大統領に忠誠を誓うチェチェン共和国のカディロフ首長が「個人的な意見だが、国境地帯に戒厳令を宣言し、“低出力の核兵器”を使用するなど、より抜本的な対策を講じるべきだ」とSNSに投稿しました。リマンを撤退した司令官を非難し、巻き返しを図るべきだと訴えたのです。
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ロシア プーチン大統領(9月30日)
「すべての力と手段をもって、我が国を防衛する」
これまでも、プーチン大統領は、たびたび核兵器をちらつかせ威嚇してきました。
アメリカのオースティン国防長官は、「彼自身が決断を下す」「歯止めが利かなくなっている」と危機感を示す一方で、“現時点で核兵器を使用する決定は下していない”との見方も示しました。
また、アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は、1日現在、ウクライナに展開するロシアの地上部隊について、「核を使用した戦場には対応できていない」と指摘し、「ロシアが戦術核を使用する可能性は低い」と分析しています。
ウクライナの攻勢に押されるロシア。プーチン大統領は2日、4つの州の併合に関する法案を議会下院に提出し、“併合条約”の批准も求め、手続きを急いでいます。
(2022年10月3日放送「news every.」より)
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