29日に発表された、全国の新たな新型コロナ感染者は4万2173人と、減少傾向が続いています。
ウィズコロナへ動き出す一方で、療養が終わっても症状が長引く、いわゆる“後遺症
”を訴える人が増加しています。
タクシードライバーとして20年の経験を持つ男性(50代)は、7月末に新型コロナに感染、療養を終えて2カ月経ちますが、倦怠感(けんたいかん)はなくなりません。
母親:「前は自分で買ってきて、ご飯の支度も朝してくれた。何もやらなくなっちゃった。やれなくなっちゃったの」
タクシー運転手の男性:「家族に悪いなと思いながらね…疲れすぎちゃうと、そのまま倒れ込んで動けなくなる。何回もそういう現象を繰り返しています」
勤務日数は以前の半分、週2日に減らしました。自転車には乗れなくなり、タクシーで出社します。
タクシー運転手の男性:「5キロくらいの重りをつけて歩いているような感じ」
歩いては休み、歩いては休み、5分ほどのバス停は、今では20分以上かかります。
コロナ前は、週に何度もトレーニングを行い、体力には自信があったといいます。
タクシー運転手の男性:「倦怠感が伝わるかどうか分かんないけど、重だるい。ただのだるいだけじゃない。ずどーんと動けないくらい」
年齢や感染した時の重症度にかかわらず、誰でも発症する可能性があるコロナの“後遺症”。WHO(世界保健機関)は「少なくとも2カ月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかないもの」と定義しています。
7月中旬に感染した20代:「頭痛いと言ったら『寝不足だろ』と言われたり。頭痛いは目に見えないから」
40代:「最近コロナに感染した方のほうが、後遺症が大変そうだとけっこう聞くので。しばらく体がだるいという方が結構いた。理解してもらえると、仕事復帰もしやすいでしょうけど」
東京都内のクリニックでは、後遺症を訴える患者が7月の8倍にまで増えていました
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:「起き上がれない、集中できない、記憶ができない。9月中旬以降に来る患者は、1回仕事に復帰して、なかなか調子がでなくて、休むかどうか悩みながら来る。休職・休学という患者に出会う確率は、9月になって非常に増えた」
コロナはごく軽症だったのに、働けなくなる、そんなケースも相次いでいます。
8月上旬に感染した公務員の女性(30代)は、咳やのどの痛みがほとんどで、軽症と診断されました。
ところが、療養期間が明けてから倦怠感は強くなり、仕事に行けない日が増えたといいます。
公務員の女性:「だるくてめんどくさくて会社に来ないのでは?と。“自己管理能力”だから、来てもらうしかないと再三言われて。起きられないことを“自己管理能力”と…精神的につらかった」
週5日の勤務日数を減らして仕事を続けたいと相談しましたが。
公務員の女性:「(Q.いかがでしたか?)はっきりと『あり得ない』と言われた。『5日勤務できないなら来ないでくれ』そんな感じですね…」
女性は来月いっぱい休職することになりました。
仕事に行きたいけど、行くことができない。積み上げてきたキャリアを失う不安も抱えています。
公務員の女性:「目に見えないものなので『コロナの後遺症です』と言われて、受け止めにくい人がいるのはしょうがないが(発症時に)軽くても、重い後遺症が出るかもしれないのは知っていただきたい」
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