イギリスではこのほど、トラス英政権が450億ポンド規模の減税策を発表するや、ポンドが急落、国際通貨基金(IMF)が政策を警告、英中央銀行が市場安定化のために国債購入を発表する事態が相次いでいる。これについてリズ・トラス首相の発言が注目される中、首相は29日、複数のBBC地方ラジオ局に出演。そこで相次いだ厳しい質問と、それに対するトラス氏の反応が話題になった。
トラス氏は与党・保守党の党首選で一貫して、大規模減税を公約し続けた末、首相に就任した。クワジ・クワーテング財務相は23日、大幅な政府借り入れを前提とした450億ポンド規模の減税政策「ミニ・バジェット(小さな予算)」を発表。所得税や住宅購入の際の印紙税を減らすほか、法人税の増税計画も廃止する。これにより、経済成長に弾みをつけたいとしている。
ただしこれを警戒する市場では英ポンドが大幅に下落したほか、英国債や株式にも影響が出て、政府の借り入れコストが大幅に上がっているほか、一般市民の住宅ローンなども借り入れコストが上昇している。27日には国際通貨(IMF)が「不平等を加速させる」と異例の警告を発し、英イングランド銀行(中央銀行)が28日、市場安定化のために国債を購入すると発表した。
こうした中でトラス氏は29日、首相官邸からイングランド各地の地方ラジオ局を相手に、7分間のインタビューを計8回、1時間かけて相次ぎ行った。これは秋の党大会前に時の総理大臣が行う慣例行事で、今年の保守党党大会は10月2日からバーミンガムで始まる。
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