突然出現した北海道・長万部町の水柱は、1か月たった今も噴き出し続けています。こうした中、住民たちを悩ませている騒音問題。町は防音シートを設置しましたが、あまり効果が出ませんでした。そこで、京都の専門業者が防音対策に名乗りをあげました。
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8月22日に「北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所」が、水柱の噴き出し口を撮影した映像では、草木が生い茂る中にできた直径20センチほどの小さな穴から、ごう音とともに温泉水が噴き出す様子が捉えられていました。噴き出し口に近づくと、その激しい勢いがよくわかります。
水柱が突如として現れてから、9月8日で、1か月がたちました。いつになったら収まるのか。
9日もその姿を一目見ようと、立ち止まる観光客の姿がありました。
静岡から来た人
「噴き出している音が大砲でも撃っているような感じ。すごいですね」
対して、近くに住む住民は――
近隣住民
「自然のことなので、誰が悪いわけでもないので、どうしようもないかなと」
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観光客と住民には、大きなギャップがありました。住民はさまざまな悩みを抱えています。
近隣住民
「やっぱり塩害で。畑もそうですけど、全部葉っぱが黒くなっちゃって」
例年、この時期に花を咲かせるという庭の花は、真っ黒になっていました。
塩害は住宅の屋根にまで及んでいました。
近隣住民
「白い成分が残って、まだまだ付着している状態なので」
こうした事態に町は対策に乗り出していて、地元の消防が住宅の屋根を洗い流すなどしています。
そして、なんといっても住民を苦しめているのが、昼夜を問わず響く騒音です。
近隣住民
「やっぱり熟睡はできませんね。この音ですからね」
近隣住民
「2時間おきくらいに目が覚めます。神経おかしくなってきます」
対策として町は、高さ約2メートルの防音シートを設置しましたが、あまり効果はみられませんでした。途方にくれていた矢先、町長に“救いの電話”がかかってきたといいます。
長万部町 木幡正志町長
「京都の会社の社長から電話をいただいて、『なんとかお手伝いしたい』と」
遠く離れた、京都にある防音対策専門の業者が名乗りをあげたのです。
ブルアンドベア 橋本克美社長
「私たちの今までの技術をもって、対策は可能ではないかというのが一番で」
現地で視察を重ね、たどり着いた防音対策が――
ブルアンドベア 橋本克美社長
「“煙突型のサイレンサー”(消音器)というものを建てようと」
今月5日に行われた実験では、水柱のごう音を再生したスピーカーに、煙突型のサイレンサーに使われる防音パネルをかぶせると、ごう音が軽減したように感じられました。この防音パネルを10メートルの高さまで積み上げ、水柱を囲うようにすると煙突型のサイレンサーができるといいます。
専門業者は9月末の完成を目指しています。
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衰え知らずの水柱。現地で調査を行った専門家によると、いつ止まるかは予想ができず、今後さらに1か月、この状態が続いてもおかしくはないということです。
(2022年9月9日放送「news every.」より)
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