当選した議員の胸に輝く議員バッジ。これがあれば、自分を大きく見せることができると考えたのでしょうか。
「承認欲求」、逮捕された男が口にした言葉です。
藤本叶人容疑者、22歳。
押収されたスーツと偽の議員バッジ。こちらは、本物の議員バッジ。藤本容疑者が付けていた偽の議員バッジも一見、本物と見分けはつきません。
果たして目的は何だったのか。
分かっているのは、藤本容疑者が偽議員バッジを付け、外務省内を徘徊(はいかい)していたということ。部屋に入ったり、何かを物色したりする様子は確認されていません。
「偉い人の気分になりたかった」本人はそう話しています。
外務省によると、一般の職員の場合IDカードを使い電子ゲートを通過する必要がありますが、政治家の場合は、議員バッジや顔を確認したうえで、警備員が手動ゲートを開けているといいます。
これは、ある国会議員が国交省を訪問したときの映像。敷地の入り口では警備員が敬礼、そのまま玄関の奥にある電子ゲートも、素通りしていました。
国会議員に対する特別扱いを藤本容疑者は知っていたのでしょうか。
外務省のほか、厚労省や国交省、経産省。藤本容疑者の侵入が防犯カメラで確認されています。
ちなみに、22歳の藤本容疑者には被選挙権がなく、国会議員にはなれません。
しかし、それらを含め警備員が顔だけで、彼を偽者だと見抜くことは不可能だったのかもしれません。
警視庁関係者はこう話します。
警視庁関係者:「議員の中には『誰ですか?』と声を掛けると激高する人もいて、委縮している警備員もいると思う」「出入りする人全員の、警備に対する理解と協力が必要だと思う」
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