旧統一教会と政治家の関係は、全国のニュースで連日のように報道されていますが、福岡と佐賀を選挙区とした複数の国会議員も何らかの関わりがあったことを認めています。
ＲＫＢは福岡・佐賀の現職の国会議員に、旧統一教会との関わりについてアンケートを実施しました。旧統一教会の関連団体や関係者から選挙支援や政治献金を受けたことがあるか、関連イベントへの出席や祝電を送ったことがあるかなど、４つの質問を送りました。
◆鳩山二郎議員は返答なし
福岡６区選出の自民党・鳩山二郎衆議院議員には、今月１６日の期限を過ぎたあとも再三、回答を求めていますが、２２日午後６時時点でいまだ連絡はありません。
◆「出席」「祝電」６人が認める
アンケート結果によると、関連団体のイベントに出席、または祝電を送ったことがあると回答したのは、自民党の議員４人と立憲民主党の議員２人でした。
・自民党 鬼木誠（衆・福岡２区）／宮内秀樹（衆・福岡４区）／岩田和親（衆・比例九州）／古川康（衆・比例九州）
・立憲民主党 大串博 志（衆・佐賀２区）／古賀之士（参・福岡選挙区）
自民党の福岡資麿参議院議員は「わからない」と回答しています。
◆名簿提供受けたと鬼木誠衆院議員
アンケートでは「選挙支援を受けたことはない」と答えていた福岡２区選出の自民党・鬼木誠衆議院議員。しかし、先週本人に直接確認したところ、去年の選挙で関連団体に所属する支援者から数十人分の名簿を受け取っていたことを認めました。
鬼木誠衆院議員「熱心な支持者の中にそういう信仰されている方がおられて、そういう方から知り合いの紹介をいただいたというようなことはございます。（何人分くらい？）２０～３０という風に聞いています。（選挙の応援に入ってもらうとかはない？）スタッフが入ったとかは、私の知る限りでは認識がないですね。当該団体の社会性のあり方をきちんと見て、その上できちんと適正な距離を置きたいと思っております」
◆武田良太元総務相「一切ない」否定するも…
安倍内閣で国家公安委員長となり、菅内閣では総務大臣を務めた福岡１１区選出の自民党・武田良太衆議院議員。ＲＫＢのアンケートに対し、事務所から届いた回答書には次のように書かれていました。
「ご指摘の団体から何らかの依頼を受ける、また依頼をした事実は一切ございません。以上。」
しかし……。
◆アメリカで撮影の写真に武田元総務相の姿
ジャーナリスト 鈴木エイト氏「日本の国会議員・元国会議員らと教団の幹部が一堂に会している。武田良太さんの隣に立っているのが、当時の徳野英治統一教会会長です。その隣が、世界副会長」
写真を紹介してくれたのは、旧統一教会を長年取材しているジャーナリストの鈴木エイト氏です。写真は２０１７年、アメリカ・ワシントンで撮影されたもので、議員たちの後ろには旧統一教会系のメディア「ワシントン・タイムズ」のロゴがみえます。武田議員ら日本の国会議員と一緒に写真に写っているのは、旧統一教会系の政治団体国際勝共連合の会長や、当時の日本統一教会の会長だといいます。会議に出席した関係者は旅費や宿泊費は「自分では負担していない」と証言した上で、次のように指摘しました。
会議に出席した関係者「アメリカでは招待した側が旅費を持つのは普通のことなので、推察だが招待した側が負担したと思う」
ワシントンでの会議のあと、ニューヨークでは旧統一教会の韓鶴子総裁も出席した特別集会が開かれました。教団側は、会議を終えた議員らがこのイベントにも参加したと伝えています。
ジャーナリスト鈴木エイト氏「国会議員たちを韓鶴子総裁の前であいさつをさせる、ということを教団側は目的としていたようです」
武田議員に事実関係を確認しようと、改めて質問状を送りましたが、期限までに回答はありませんでした。
◆紀藤正樹弁護士「政治家は丁寧な説明を」
１９８０年代以降、合同結婚式や霊感商法などが社会問題となった旧統一教会。教団の被害弁護団を務める弁護士は「関係性があった政治家は有権者に対し、しっかりと説明する必要がある」と話します。
総合法律事務所 紀藤正樹弁護士「統一教会は一般の宗教団体というよりは反社会的な宗教団体。こういった団体と政治家が付き合うことは、反社会的な活動に加担した、あるいはお墨付きを与える行為ですので、はっきりと決別すべきだと思いますし、過去に何らかの形で関係したということであれば、それは丁寧な説明が有権者に求められると思います」
