「証明書」「健康観察」を通じた医療現場の負担軽減策、療養者は“要注意”も|TBS NEWS DIG

「証明書」「健康観察」を通じた医療現場の負担軽減策、療養者は“要注意”も|TBS NEWS DIG

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療現場のひっ迫が続く中、健康観察の対象を絞り込むなどの負担経済策も出てきています。ただ、中には療養者の症状悪化を見落すリスクも出てきているといいます。

■発行に3か月以上もかかることもある「証明書」 自分で発行できる「「My HER-SYS」」とは?

日比麻音子キャスター:
医療現場においても厳しい状況が続いていますが、保健所等の業務もひっ迫している状況が続いています。その1つとして、新型コロナウイルスの「療養証明書」の発行があります。

療養証明書は、例えば職場などを休む際、もしくは復帰する際に提出が求められたり、保険会社に保険金の請求などをするために提出が求められるケースがあるんです。

千葉県においては、証明書の発行に関して1日約2000件の問い合わせが相次ぎ、証明書の発行までに時間がかかっています。3か月以上かかる場合もあるそうです。

実はこの証明書に関して、自分で証明証が発行できるシステムもあるんです。

自宅療養は原則10日とされていますので、11日以上療養した場合には使えませんが、療養者本人が体温や症状の変化などを入力をする健康管理機能「My HER-SYS」というシステムです。

10日の療養期間が終わると、「療養証明書を表示する」というボタンを使うことができます。ボタンを押してみますと、名前や生年月日だけではなくて、診断日や担当の保健所の名前などが記載された「療養証明書」が表示されます。期間が終了後、表示することが可能で、公的な証明書として使うことができます。

保険会社等によっては、どういった証明書が必要か各社変わると思いますので、確認が必要となるかと思いますが、「療養証明書」を自分で表示することもできるわけです。

■神奈川では「健康観察」の対象を「重点観察対象者」のみ」

神奈川県では、今後「My HER-SYS」を採用するように検討していくとのことですが、それに代わりまして健康観察を行っています。

ただ、これまでは全ての自宅療養者が対象となっていましたが、8月9日から対象者を「重点観察対象者」のみと限定して、▼65歳以上か2歳未満の方、もしくは▼40歳から64歳の方で基礎疾患がある人、▼妊婦の方と対象者を絞るということです。

対象者を変更したことによって、これまで8月8日の時点では9万6763人いた対象者の数が、17日になると4万3870人と半分以下に減りました。

担当者の方によると「連絡をとる人数が大幅に減り、重症化リスクのある方に早く連絡を取れるようになった」と話しています。

ただ一方で、対象外の方も体調が悪化する可能性が考えられます。その場合には、例えば療養サポート窓口や神奈川コロナ119番などに連絡が取れるといった窓口もあります。

■体調悪化も保健所からは連絡が来ないケースも・・・

ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長は「証明書の発行や健康観察が少なくなることは、医療現場の負担の軽減に大きく繋がる」と話しています。

しかし、実際に先生が診た患者さんのケースでは、自宅療養中に体調が悪化したと「My HER-SYS」内容を入力していたにもかかわらず、保健所から連絡がなかったそうなんです。実際にこの患者さんは、患者自身が田代先生に連絡をし、先生が往診した結果、重症化をしていてすぐにでも入院が必要な状況だったそうです。「My HER-SYS」の内容をみても、重症化傾向にあるとしっかり入力されていたそうです。ただ継続的に健康観察をご自身でしていたからこそ、変化にも気づけたという点も指摘されています。

ホラン千秋キャスター:
松本さん、保健所もフル稼働なわけですので「My HER-SYS」などに情報を入力していても、様々な患者さんに対応していく中で、対応が遅れてしまうケースもありうるんでしょうか?

国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
対応できないぐらい相当な感染者数ですので、健康観察の対象者を絞ることも必要にはなってくるんだろうと思いますが、そうするとやっぱりどうしても取りこぼしみたいなものが出てきます。

特に、重症化リスクって何?とまだ皆さん周知されていない部分もあります。私も重症化リスクありますかと聞くと「ありません」と言って、何か病気でお薬飲んでますかと聞くと「糖尿病と高血圧の薬飲んでます」という40代の人もおられました。なかなかご本人に直接聞いたところでわからない部分もあるので、うまくサポートしてあげることが本当は必要なんだろうと思います。

■「My HER-SYS」とは別の仕組みも必要か

井上貴博キャスター:
現状、医療従事者が事務作業に手を取られてしまって、その分を省力化しましょう、選択と集中していきましょうというのは大変重要だと思います。しかし、リスクのある方を見落とさないためには、自分でできることよりも医療従事者の皆さんに定期的にこの「My HER-SYS」など入力状況を見てもらうしかないのですか?

国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
そうですね、ただ最初の時点ではそれほど調子悪く…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220819-6035707)

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