新型コロナウイルスの影響で、住宅ローンの返済に行き詰まる人が8万人を超えました。マイホームを手放さざるを得ない状況に、ある家族が取った意外な解決策とは。
Aさん(40):「将来的には親と一緒に住もうと思って4LDKにしたんですけど、その前にコロナ禍になったので、にっちもさっちも行かなくなった」
都内で暮らすAさん。妻と高校1年生の長男の3人暮らし。3年前、新築の一戸建てを35年ローンの3000万円で購入。夢に見た念願のマイホームでした。
Aさん:「3階の部屋からスカイツリーが見えたから『買おう』ってなりました。夜だと電気がついているので、すごくよく見えるんです」
住宅ローンの返済は、毎月9万円。しかし去年4月、コロナ禍の影響で給料が半分に。
Aさん:「元々、手取りで35万円ぐらいあったんですけど、それが18万円とか」
Aさんの仕事は運送業。1回目の緊急事態宣言で物流が激減、そのあおりを、もろに受けたのです。
さらに・・・。
Aさん:「妻も(コンビニで)アルバイトをしていたけど、コロナ禍で『お客さんが来ないからシフトに入らなくていい』と言われて」
そして、去年12月。住宅ローンの支払いが滞っていたAさんの元に、ある通知が。返済を厳しく促すための「催告書」でした。
届いたのは12月22日。8日後の30日までに、残りの住宅ローン2832万円を一括で支払わないと「自宅を競売にかける」と書かれていたのです。
Aさん:「まさか、こんなことになるとは思わなかったですね」
このままでは、自宅が競売にかけられてしまう・・・。困り果てたAさんは、住宅ローン問題を専門に扱う「ナレッジパートナー」の富永順三氏に相談。考えた末、競売にかけられる前に自宅を売る「任意売却」をすることに。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「債権者に対して『任意売却を進めます』と通知をしているので、(今年の)年末くらいまでは(競売の)猶予を頂いている」
競売とは、裁判所が主導する強制的な売却。一方、任意売却は当事者が主導して売却できます。そのため売却金額で雲泥の差が。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「競売は、オークションみたいな入札ですから、(売却額が)2200~2300万円くらいになってしまう」
一方、任意売却は・・・。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「家が新しくて立地も良いので、2800万円近くで売却できるのではないかと思います」
競売だとローンが500万円以上も残ってしまいますが、任意売却の場合、残りのローンは30万円ほどで済むのです。
今、Aさんのように「コロナ禍で住宅ローンが払えなくなった」という相談が急増しています。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「月に200~300件の相談があります」
富永氏によりますと、自宅を売却したとしても「ローンの残り年数が15年以下」であれば、そのまま住み続ける方法があるといいます。それは・・・。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「リースバックという方法があります。投資家などに自宅を買って頂いて、今度は住宅ローンではなく、家賃として払うことで住み続ける」
その場合、売却したマイホームを「買い戻す」ことも可能です。
住宅ローン問題を扱う・富永順三さん:「今、お父さんがコロナの関係で(住宅ローンの)支払いが難しい。
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