韓国、物価指数がぶっ壊れていろいろえらい事になる【ゆっくり解説】

韓国、物価指数がぶっ壊れていろいろえらい事になる【ゆっくり解説】

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韓国でも「値上げ地獄」…冷麺も参鶏湯も価格倍増、ソウル暮らしは負担大
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ce88d4c7d401418eae705f1456e5c9533274a87

日本では消費者物価指数が10カ月連続で上昇、「物価高」が長らく話題になっているが、お隣・韓国では日本以上に急激な物価上昇が問題になっている。韓国の外食費は安いとされてきたが、いまやソウルでは少し前の2倍。生鮮食品の値段や不動産、公共交通機関の運賃など、さまざまなものの値段が軒並み上がり続けているのだ。(韓国在住ライター 田中美蘭)

 毎年7月の中旬になると、韓国では「初伏(チョボク)」と言って、参鶏湯(サムゲタン)を食べる日がある。ちょうど日本で「土用の丑の日」にうなぎを食べるような感じだ。今年は7月16日がその日であり、各地の参鶏湯専門店が大賑わいであった。筆者も家族で参鶏湯を食べに行き、大きく価格が値上がっていることを実感させられた。

 現在の参鶏湯一人前の一般的な値段はソウルで1万9000ウォン(日本円で約1990円)釜山で1万6000ウォン(約1680円)程度。この他、烏骨鶏やアワビが入った特別メニューになると2万ウォン(約2100円)を優に超えたりする。

 かつてはソウルの明洞や江南(カンナム)といった一等地の場合、参鶏湯は1万ウォン(約1050円)程度で「高い」部類であり、郊外の店や地方都市では8000ウォン(約840円)も出せばお腹いっぱいに食べられたものだ。それが、ここ数年で参鶏湯も値上がりを続け、「高級料理」になりつつある。

 日本で東京と地方で物価に多少の差異があるように、ソウルと釜山でも物価は異なる。今、韓国では都市部も地方も物価の上昇に歯止めがかからず、外食やレジャーを気軽に楽しむというわけにはいかなくなりつつある。しかしこれはまだ序章であり、今後まずます物価高騰により生活が圧迫されていくことが懸念される。

● 食費は少し前の2倍に近い値上がりぶり

 冒頭の参鶏湯のように、「安い」とされていた韓国の外食費はここ数年で値上がりを続けている。例えば、韓国式中華のジャジャン麺やチャンポン、冷麺やカルグクスといった麺料理はこれまで、日本の「ワンコイン」のような感覚で日本円で500円前後で食べられていた。しかしこちらも以前からのインフレに加え、コロナ禍の影響や、最近の小麦粉の高騰などにより、値上がりが止まらない。ソウルでは、1万ウォン(約1050円)を超える店も出ている。

 これにより、会社員たちの昼食事情も厳しいものになっている。レストランに食べに行く代わりに、コンビニのおにぎりやカップラーメンで済ませたり、さらには手作りの弁当を持参したりするケースも増えているとのことだ。

 客ばかりではなく、飲食店を経営する側も厳しい。人件費のアップに加えて、原材料の上昇により、少ない人数で店を回したり、規模が小さい食堂やカフェは主人がほぼ一人で切り盛りせざるをえない場合もあり、廃業をする飲食店も多くなっている。

 最近の物価の高騰は世界的な傾向であり、しばしば話題になるのがニューヨークの物価高だ。ニューヨークとの単純比較はできないものの、ソウルでも物価高に加え、一昨年からの異常なまでの不動産の高騰が生活を圧迫している。

● ソウル暮らしの夢はどんどん遠のく

 韓国では地方からソウルの大学に入ることを「イン・ソウル」といい、ソウルにある大学に進学することがステータスとされている。このため、受験生達はソウルの大学を目指して必死に勉強をする訳であるが、現実問題として地方出身者が実家を出て一人暮らしでソウルの大学に行くのは親にとっても大きな経済的負担となっている。ある地方都市に住む大学生の親は「ソウルの大学は確かに地方と比べればレベルが高いから目指すけど、ソウルでの家賃や生活費の仕送りを考えたら、子どもが地元の大学に進学してくれて正直、ホッとしている」と言っていた。韓国では子どもの教育への投資を惜しみなくするものであるが、やはり、不動産の高騰と物価高は学生の親にとってもダブルパンチと言えよう。

● 今や東京よりもソウルのほうが物価高?

 単に「物価が上がった」と言っても実情を示さないことにはイメージが湧かないだろう。ソウルで生鮮食品の価格を調べてみた。

・キッコーマン醤油(750ml):1万0310ウォン(約1080円)
・卵(10個):5180ウォン(約540円) 
・ブロッコリー(1株):3500ウォン(約370円)
・キャベツ(1/4個):2400ウォン(約250円) 
・リンゴ(4個入):2万7000ウォン(約2830円)
・ホウレンソウ(1把):9500ウォン(約1000円) 
・ピーマン(2個):3700ウォン(約390円)
・レタス(1玉):6500ウォン(約680円)
 ソウル・江南のデパ地下で生鮮食品を買おうとするとこれくらいの値段になる(7月下旬調べ)。同じソウルでも、明洞のロッテデパートではさらに高いものもあった。

 韓国第2の都市・釜山ではこれらの価格よりも1000~2000ウォン(約100~200円)程度安いものの、やはりこの2年ほどで生鮮食品全般が値上りしている。特に卵や葉物野菜の値上がりが著しく、旧盆や旧正月といった伝統行事の料理の準備にも影響が出ている。

 都市部の物価高に加え、デパ地下ということもあって一般のスーパーに比べ場所代も加算されているのだろうが、食品の鮮度など、売られているものの品質は日本の方が良いという印象なので、やはり野菜や卵などの食材がここまで高いという事態には抵抗がある。

 この他、公共交通機関やタクシー代も値上がりしている。地下鉄やバスの初乗り運賃は現在1200ウォン(約125円)、タクシーは3800ウォン(約400円)。これは日本よりもまだ安いが、数年単位で値上がりが続いているし、原油高によってさらなる値上がりも十分にありえるであろう。

 「何でも安いショッピング天国」と韓国が呼ばれていたのは今や昔の話。韓国への旅行に関する制限が今後さらに緩和されたとしても、以前のように日本人がこぞって韓国を訪れる光景はもう見られないかもしれない。
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