10日に発足した第二次岸田改造内閣。岸田総理は旧統一教会などとの関係を点検し、厳正に見直すことを“入閣の条件”にしたということですが、蓋をあけると、少なくとも7人の閣僚に旧統一教会との関係があったことが明らかになりました。
旧統一教会と政治の関係をどう見直していくべきなのでしょうか?経済学者の成田悠輔さんを交えて考えます。
■第2次岸田改造内閣が発足も新閣僚7人が旧統一教会と関係
関係を認めた閣僚7人
▼総務:寺田稔(64)
▼外務:林芳正(61)
▼厚生労働:加藤勝信(66)
▼環境:西村明宏(62)
▼経済再生担当:山際大志郎(53)
▼経済安全保障担当:高市早(61)
▼地方創生担当:岡田直樹(60)
ホラン千秋キャスター:
寺田稔総務大臣は以前、関係団体のイベントに会費を支出したことがあると話しました。そして、関係があったと指摘されていましたが今回初めて自身で認めたのが、林芳正外務大臣です。
そして3度目の厚労大臣となった加藤勝信さんも会合の会費を支出したことがあると話しました。一体どんな会合だったのかというと、2014年と2016年の2回、旧統一教会の関連団体に秘書が会費を持っていったことを確認したということです。選挙協力などについては「具体的に人を派遣していただくとか、そういったことはございません」と否定しています。
他にも、高市経済安全保障担当大臣は、20年前旧統一教会関連の月刊誌「ビューポイント」で対談を行っていたことがわかりました。このことに関して高市さんは、「しっかりと団体のバックグラウンドを調べて、取材を受けるということを約束したい」と話しています。
そして、本日スタジオにお越しの経済学者 米・イェール大学 成田悠輔 助教授は、旧統一教会との一連の関連などをご覧になって、「政治の接触に関する明確な規則を」つくべきではないかとお考えのようです。
井上貴博キャスター:
法律を明確につくるべきだと思いますし、法律を作るのが政治家の仕事でもありますが、政治家はこの部分については、かなり後ろ向きですね。
成田悠輔さん:
過去のいろんなエピソードをほじくり返してきては、それについて釈明していて、あまり建設的ではない状況が続いているなという感じがします。
今大事なのは、例えばカルト宗教的なものがあったときに、それと政治の間でどんな接触をするのはOKで、どんな関係はNGなのかということに関して、はっきりした規則やルールというものを組織として政治として提示していくということなんじゃないかなと思うんです。
現状だと「点検する」「見直す」「検討する」、この手の言葉ばかりが出てくると思います。なので具体的に何をしていいのか、何をしてはいけないのか、ということをハッキリさせる。そうしないと、永遠と20年前のことをほじくり出し続けるというこの状況が変わらないのではないかという気がします。
井上キャスター:
調査委員会を全体で設置すべきだと思いますし、そこでスパっとを断ち切る。政治家は、旧統一教会以外にもあまた団体と繋がりがあると思うんです。その中で、こういう風にお付き合いしていますということを明示した方が政治家としてもさっぱりするのに、そこに踏み込めない。裏を返すと、相当根深いんだなというふうに思います。
成田悠輔さん:
政治家の人たちは、いろいろな形の組織のサポートなしに生きていけないのはしょうがないと思うんです。その中でどういう組織がOKで何が駄目なのかということがはっきり明文化されている方が政治家の方にとっても、どこに足を踏み込むと駄目なのかという”地雷の位置”がわかるようになって、リスクが減るのではないかなという感じがします。
■成田悠輔氏「山上容疑者のテロと旧統一教会の問題をはっきり分けることが大事」
ホランキャスター:
連日、政治と旧統一教会の関係について報道されていますが、旧統一教会の田中富広会長は、10日に会見を行い、様々な主張を繰り広げました。
例えば、霊感商法が指摘されていることについて、「過去も現在も行ったことはない」と話したんです。これは、名前が変わる前も後も一貫して行ったことはないという立場だということです。
さらに裁判件数、裁判は20年余りで約20分の1に減少しているという主張でした。そういったトラブルからくる相談件数は、2014年以降、消費者センターから全く報告ありません。ですので、私たちはちゃんとやっていますというような主張をしまいた。
これに対して、全国霊感商法対策弁護士連絡会の川井康雄弁護士は、『霊感商法に関しては、全国各地の裁判例があるため、教団側の主張は無理がある』『裁判が減っている事に関しては、返還請求をしないという合意書を組織的に結ばせていることなどが考えられる』と話していました。
井上キャスター:
旧統一教会の報道が過熱すると、一部の声として山上容疑者の思惑通りになってしまうと危惧する声もあると思います。一方で、テロと旧統一教会の問題を分けて、どっちも徹底的にやるべきなんじゃないかと思うのですが、この点についてはどうお考えですか。
成田悠輔さん:
統一教会問題は、いくつかの側部が混ざり合っちゃってるのが、すごく難しいと思うんです。
つまり、政治と宗教の問題、それから統一教会という特定の組織が行ってる行為が、非倫理的なんじゃないか、反社会的なんじゃないかという話。それから、山上容疑者のテロとその動機っていう話がありますよね。これをちゃんとはっきり分けることが、大事なんじゃないかなと思います。
今回の山上容疑者のテロがあろうがなかろうが、統一教会を行っていたことに問題があるのであれば、それ自体をしっかりと追求していくという形で、問題を混ぜ合わせて曖昧にしないということが大事なのかなと思います。
井上キャスター:
しかも、宗教が1人歩きすると別に宗教って全く悪いものでもなくて、この旧統一教会が宗教という隠れ蓑で、問題を起こしていたということが問題であるわけで、そのあたりも混在してしまっている部分がありますよね。
成田悠輔さん:
宗教であるかどうかに関わらず、もし非倫理的だったり、もしかしたら法律に触れるような行為をこの組織が行っていたとすれば、それ自体をしっかり追求していく必要があるんじゃないのかなと思います。
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