高齢化や後継者不足が深刻と言われてきた農業。実は今、「もうかる」仕事として人気になりつつあるのです。「年収1千万円を目指す」と、若い世代が続々参入。業界を変えるうねりとなりそうです。
都内のデパート。客が次々と手にしていたのは、紅まどんな。みかんの仲間ですが、お値段なんと・・・
「8000円近くのものもあります」(記者)
少し高めですが、15年の品種改良で実現したトロンととろける食感にリピーターも多く・・・
「すごく良いゼリーを頂いているような、ジューシーでぷるんみたいな」(購入客)
ヒット商品の産地を訪れると・・・農作業をしていたのは、高橋茄奈さん、23歳。実は・・・
「前の仕事は自衛官をしていました」(高橋茄奈さん)
なんと元自衛官。なぜ転職したのでしょうか。
「今までだったら、お給料も決められている。自営業だったら、やったらやっただけもうけられる」(高橋茄奈さん)
実は今、農業は、もうかる職業として人気になりつつあるのです。この地域でも売れる品種ができたことに加え、JAが就農支援を強化したことで、農家のなり手が増加。地域の過疎化を止める一助となっています。
「農家はもうからないイメージがあるが、そんなことはない。やったらやっただけもうけられる。年収4桁とか」(高橋茄奈さん)
かつて「きつい・汚い・危険」の3Kと言われた農業。若い世代で農家になる人は、この10年で、なんと3倍になっています。
茨城県にあるキャベツ畑。極めて効率的な方法で、すごい利益を上げています。強みは、伝統の集団農業です。驚くべきはそのスピード。この映像、早送りしているわけではありません。およそ6000個のキャベツを2時間で収獲しました。時間を無駄にしないよう、雨で農作業ができない日は加工工場で働く、いわば一人二役。小さ過ぎたり、大き過ぎたりして、売りものにならない規格外の野菜も有効活用します。
「これを加工して売り物にしていけば、かなりの利益率になります。農業界の当たり前は私の当たり前ではないので、まだまだもうかる要素がいっぱいある」(ワールドファーム 上野裕志代表取締役)
効率を上げることで従業員は残業ゼロ。週休2日で、給料は20代で350万円から400万円とサラリーマンの平均を上回ります。ノウハウを学び、独立を考える人が多く・・・
「1000万円を稼げるようなプロを目指したい」(従業員)
この成長性に、大企業も目をつけています。
「山中の開けたところにあるこちらの農場、実は楽天グループが運営しています」(記者)
耕作放棄地を整備、オーガニック野菜で作るカットサラダをヒットさせ、急成長しています。他にもトヨタやソフトバンクなど企業が相次いで参入。
「農業は収入が低くて、非常に先細りだった。最近では、もうかりやすくなったので、企業とか若者が参入して産業として活気がある。食料の供給という面でもプラスになる」(第一生命経済研究所 永濱利廣首席エコノミスト)
もうかることで持続可能な食料生産にもつながる農業。若い力が集まり始めています。
#農業 #年収1000万 #SDGs
(Nスタ 2020年12月23日放送)
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