中国の経済成長を支えてきた不動産ビジネスにいま、異変が起きています。マンション建設の中断が相次ぎ、大きな社会問題になりつつあります。建設が中断されたマンションで生活を始め、抗議のためにその様子をSNSで発信している人を取材しました。
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中国東部・山東省にある建設途中で放置されたマンションに向かいました。外壁の一部は今にも崩れそうでした。
中国では、このように建設が中断されたマンションをめぐり、ある問題が起きています。
別の街で撮影されたのは、マンション購入者が「ブラック開発会社! マンションを返せ!」「ローンを払わない!」などと声を上げ、抗議活動を行っている様子です。
中国では一般的にマンション建設が始まる前に開発業者と契約し、ローン返済が始まります。そのため、工事が中断されても法的にはローンを払い続けなければならず、購入者の怒りが爆発。大きな社会問題になっているのです。
山東省青島で建設が中断されたマンションの購入者を取材しました。男性は2013年、日本円で約1000万円でマンションを購入しましたが、工事は中断され、8年以上も放置されています。開発会社は、話し合いにも応じていません。
そうした中、男性は仕方なく、別の購入者らと共に、「未完成の自宅マンション」で生活を始め、抗議のためにその様子をSNSで発信しています。
マンション購入者
「みなさん、こんにちは。私たちはいま内装工事中です。2階の窓をつけています」
また、エレベーターも設置されていないため、買ってきたドアや窓枠を階段で運び込み、自分で取り付けました。電気やガスの設備もないため、カセットコンロや、まきを燃やして食事を作り生活しています。
別の購入者
「手や顔を洗う水は、全て地下室でくみます」
この日、男性に自分の部屋を案内してもらう約束でしたが――
マンション購入者
「(警察から)急に連絡が来て、行かなければならない」
突然、地元警察から、取材を受けず警察署に出向くよう命じられたといいます。
実は、マンションの建設中断をめぐり抗議活動が各地に広がる中、中国当局が締め付けに乗り出しているのです。不満の声がこれ以上拡大し、社会が不安定になるのを避ける思惑があるとみられます。
おびえた様子の男性は急いで取材を打ち切り、警察署へ向かいました。それから、約4時間後に事情聴取を終えた男性と電話がつながりました。
――会えますか?
マンション購入者
「たぶん無理だ。もう取材は受けられない」
SNS上でも、抗議の声を発信する投稿は次々と削除されています。
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秋の共産党大会で異例の3期目続投を目指す習近平国家主席。「社会の安定」が最優先される中、市民の生活に窮屈さが押しつけられています。
(2022年8月9日放送「news every.」より)
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