アメリカのペロシ下院議長を乗せた専用機が4日夜、横田基地に到着しました。
5日には、岸田総理大臣主催の朝食会に出席し、日米同盟の強化やインド太平洋地域及び国際社会における日米共通の課題などに関して意見交換を行う予定です。
ペロシ議長の到着に先立ち、4日、中国が発射した弾道ミサイル9発のうち5発が日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下したことがわかりました。
岸防衛大臣は「我が国の安全保障及び国民の安全に関わる重大な問題だ」として、中国に「強く抗議した」とコメントし「非常に威圧的な訓練だ」と非難しました。そのうえで「中国の弾道ミサイルが我が国のEEZ内に落下したのは初めてであると認識している」と述べました。
弾道ミサイルは、一番近いもので「与那国島の北北西約80キロに落下した」ということです。
また、台湾も中国軍が多数の弾道ミサイルを発射したと発表しました。
日本時間の4日午後1時に始まった中国軍の大規模演習は、台湾周辺の海域と空域で実施されています。台湾対岸の福建省ではロケット砲が何発も発射される様子が確認されました。
台湾国防部は中国軍が弾道ミサイル「東風」を多数発射したと発表し、「中国の非合理な行動を非難する」と強調しました。中国軍は複数のミサイルを台湾東部の海域に発射し、目標に命中したとしています。
下院議長としては25年ぶりに台湾を訪れたペロシ議長は、3日午前には蔡英文(さい・えいぶん)総統と会談しました。ペロシ議長は「民主党、共和党、下院上院、すべてアメリカは団結して台湾を支援していきたい」と強調しました。
一方、蔡英文総統は「ペロシ議長は台湾の民主的な発展に大変な注意を払ってくれた。心から感謝する。台湾は主権を堅持し民主主義を守るすべての民主主義の国々と協力する」と述べました。
中国は、ペロシ議長が台湾を訪れたことに激しく反発しています。
王毅外相は3日朝、声明を出しました。今回の訪問が「中国人民の強い憤りを引き起こした」と批判をしたうえで「台湾問題で挑発する者は必ず頭から血を流すことになる」と警告をしています。
中国政府としては国内から「対応が弱腰だ」といった批判が強まることはなんとしても避けねばならず、しばらくは強硬な反応が続くことになりそうです。
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