世界の景気に暗雲が垂れ込めています。アメリカでは、金利の上昇で不動産の買い控えがはじまっていて、ヨーロッパでは、物価の上昇で生活費が3割以上高くなっています。
■米GDP 2期連続マイナス
アメリカは、記録的な物価高が続き、2カ月連続で通常の3倍にあたる0.75%という大幅な政策金利の利上げに踏み切りました。
28日に発表された速報値では、4月から6月の実質GDPの成長率が、年率換算で前の期に比べて0.9%減り、2期連続のマイナス成長に…。景気後退が、現実味を帯びています。
アメリカに拠点を置く不動産会社を取材しました。
リロ・リダック社 シニアマネージャー 岡畠伸江さん:「地元のこちらの方々っていうのが、一番影響を受けられていますね。住宅ローン(金利)が上がってきているので、もうちょっと下がった時に購入しようかという人々が。様子を見ましょうというような現状」
■“3倍利上げ”不動産買い控え
アメリカの住宅ローン金利を見てみると、金利が変わらない「30年固定金利」は、今月20日時点で平均5.54%。去年の2.78%に比べ、3%近く上昇しています。
この金利差では、例えば5000万円を借り入れ、30年かけて返済する場合、利息を含めた支払い総額が3000万円余り増えることになり、住宅の購入を見送る人が増えているのです。
■ドイツもインフレ…日本人悲鳴
物価の上昇は、ヨーロッパでも起きています。
ユーロ圏の先月の消費者物価指数は、前年比8.6%の上昇で、過去最高を記録しています。
4年前からドイツに住むエリカさんは、次のように話します。
ドイツに住んで4年 エリカさん:「大変ですね、やっぱり。生活費・食品とかが上がってしまうと、なかなか生活が大変だなっていうのを感じますね」
スーパーでの買い物で物価を比べてみると、1年前は週に120ユーロ、日本円で1万6440円だったのが現在は160ユーロ、2万1920円と3割以上、高くなったといいます。
■卵&バター高騰…生活費3割↑
エリカさん:「卵が、去年が全く同じ卵なんですけど、2.89ユーロ(=約396円)だった。今年のを見ると、3.29ユーロ(=約451円)。バターが去年2.29ユーロ(=約314円)。今年が3.39ユーロ(=約464円)。1ユーロ(=約137円)以上、上がっている」
エリカさんは、秋以降の物価高が心配だといいます。
エリカさん:「怖いのが、これから冬、暖房がどれくらい上がるのかなって。そこが不安」
(「グッド!モーニング」2022年7月29日放送分より)
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