「中学生の娘が学校の健康診断で下着を脱ぐよう指示された。実際に脱いで臨んだが、その後とても不快な気持ちになったと話している」先日、番組宛に1本の電話がありました。ということで今回のギモンはこちら。「学校の健康診断、下着を脱ぐ必要はある?」
まずは、電話の内容を改めて整理します。
電話をくださったのは三河地方に住む女性で、中学1年生の娘がいます。仮にA子さんとしておきますね。
先月、A子さんら1年生を対象にした健康診断が実施されました。その中で、栄養状態や体の異常をより詳しく調べる内科健診も行われたんです。そこでこんな指示が出されたそうなんです。
「ブラジャーを外して下さい」
ちなみにこの内科健診、男女は別々で行われ、担当した医師は男性でした。A子さんは指示に従い、ブラジャーを外し体操着を首元まで上げた、こういう状態で健診を受けたそうです。
ただ、A子さん、この状況をとても不快に感じ、帰宅後、母親に伝えました。そして母親も「下着を外す必要はあったのか?」と疑問に思い、学校側に説明を求めたそうです。
後日、教頭などがA子さんの家を訪れ、こう説明したそうです。「下着を外してもらった理由は心音がきちんと聞こえるか、アトピーがないか、背骨に異常がないかなどをしっかり調べるためだった」
ここまでの説明で、岡田さんどう感じますか?
(岡田アナ)A子さんが不快に感じた理由はすごくよくわかる。あとは、学校側の説明をどう捉えればいいのかですよね。
そうですね。この点について専門家に聞きました。
名古屋学芸大学子供ケア学科の酒井多香子教授です。「皮膚の疾患、脊柱・胸郭の疾患や異常、 虐待の有無などを調べる上では上半身脱衣をした方が望ましいとされている」
つまり、上半身裸の方が、より健診の精度が高まったり、虐待を察知しやすくなるといったメリットが実際はあるようです。ただ一方で「プライバシーを守るという観点を忘れてはならない」と釘を刺しています。
実は文科省が去年3月、「脱衣を伴う検査における留意点」という通知を全国の学校に向けて出しているんです。その中の一つを紹介します。
こちらです。
「診察や検査等に支障のない範囲で、発達段階に合わせた児童生徒等のプライバシーの保護に十分な配慮を行うこと」
こう記載されているですが、文科省の担当者に聞いたところ、「実際の運用に関しては、健康診断を行う医師の判断に委ねている」と話していました。
この発達段階に合わせた配慮というのが、中々難しいところですよね。
子供の心理に詳しい名古屋大学の野村あすか准教授は、「小・中学生は心と体が大きく変化し、自分の体だけど違和感があるような時期。突然、他人に体を見られるのは大きな不安を抱かせる原因になりうる」
こう説明した上で、ではどう配慮すればいいのかについては次のように話しています。
大切なのは、保護者、そして子供たち自身への「事前の説明」です。具体的には、「検査の『意図』『必要性』『方法』を事前にしっかり説明し、納得してもらった上で実施することが求められている」ということです。
また、下着の着脱を含めた学校での健康診断の在り方について、倫理学が専門の京都大学児玉聡教授はこう話します。
「地域や学校によって方針が違い、混乱が生じている。厚労省や医師会などが科学的エビデンスなどに基づいた指針を作って示すことが望ましい」
健康診断で下着を外すことについては、実は全国各地で疑問の声が上がっています。誰もが納得する方法はあるのか。今後さらに議論が深まっていくかもしれません。
#学校 #下着 #長江麻美
▼チャンネル登録はコチラ↓↓応援お願いします!
https://www.youtube.com/channel/UCk6SzG4qmA7J6CI-QAtWoOg?sub_confirmation=1
▼ニュース公式SNS
◇Twitter(情報提供はこちら)
https://twitter.com/news_tva
◇TikTok
https://www.tiktok.com/@tva_news
【主な報道番組】
▼5時スタ 月~金 17:00~17:25
今、気になるニュースを「暮らし」に密着した視点で伝えます。
https://tv-aichi.co.jp/5sta/
▼TXNニュース 土日 17:20~17:30
日本や世界の最新ニュースをコンパクトにお伝えします。
▼映像提供はこちら
https://tv-aichi.co.jp/newspost/