ゼロコロナ政策の徹底などにより経済成長が減速している中国では、若者の失業率が18%を超え深刻な社会問題となっています。取材で見えてきたのは二極化する若者の姿でした。
6月から7月にかけて卒業シーズンを迎える中国。経済発展と共に大学への進学率が上がり、今年の卒業生の数は初めて1000万人を超えました。
大学院を卒業 沈雨霏さん
「就職決まりました、投資銀行系です」
大学院を卒業したばかりの沈雨霏さん。在学中から4つの企業でインターンシップを経験し、そのうちの一つ、大手投資銀行への就職が決まりました。
年収はおよそ800万円。新卒者の平均年収が200万円と言われる中、まさに就活の「勝ち組」となりました。
満足のいく就職先が見つかった沈さんの人生設計ははっきりしたものでした。
大学院を卒業 沈雨霏さん
「結婚は30歳くらいにしたいと思っていますし、子どもは必ず欲しいです。1人か2人ですかね」
一方で、友人たちは就職難に直面しているといいます。
大学院を卒業 沈雨霏さん
「IT会社に内定した友達がいましたが、その後取り消されてしまい、新しい仕事を探さなくてはいけなくなりました」
中国のSNS上ではいま「大学卒業イコール失業」と言われるほど、若者の就職が難しくなっています。
国家統計局によりますと、都市部の16歳から24歳までの失業率は急上昇していて、5月には18.4%と確認可能な2018年以降最悪となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い上海などの大都市でロックダウンが続いたことが大きく影響したものとみられています。
北京市現代音楽学校でプロのベーシストを目指してきた黄偉豪さん。
音楽学校卒 黄偉豪さん
「ライブの仕事はコロナのためほとんどありません。だから他の職業を探すしかありません。いまとても不安です。」
ミュージシャンの道はあきらめレコーディングスタジオの仕事を探すことにしましたが、就職のめどはたっていません。
運良く高収入の仕事を得られる若者がいる一方、就職先が見つからない若者が2割近くに上るという、二極化する中国の就職事情。若者の失業率の高さは社会不安を引き起こしかねないことから習近平指導部は就職支援に力を入れる方針を示し、地方政府は新卒者を採用した企業への奨励金支給などを始めるなど対応に追われています。
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