参議院選挙公示後、最初の選挙サンデー。
候補者乱立で熱い戦いが続く「京都選挙区」に密着しました。
▽参院選の激闘開始 大混戦!「最重点区」
各党の大物が次々と応援に入っている京都選挙区。
過去4回連続当選している立憲民主党の福山哲郎候補。
(立憲民主党 福山哲郎候補)「賃金上がらないのに物価が上がったら生活は厳しくなるに決まってますよね。私はもう割り切って、消費税5%に減額するしかないと思っています。与党なのか野党なのか分からないような政党では強く自民党政権に言えないではないですか皆さん」
泉代表のお膝元でもあるここ京都は立憲の「絶対に落とせない選挙区」。
しかし改選2議席に9人が立候補し大混戦に…福山氏は「厳しい選挙」を強いられているといいます。
(立憲民主党 福山哲郎候補)「楽な選挙なんかないです。いつも厳しい。」
Q. これまで(の選挙)と違うところは?
「候補者が多い」
警戒しているのは、今回参戦した維新の動向です。
(立憲民主党 福山哲郎候補)「悪いですけど大阪の人に京都に来て『大阪の改革を京都に』などと言われる筋合いはまったくありません。京都のことは京都で決めようじゃないですか、皆さん」
日本維新の会の楠井祐子候補。
(日本維新の会 楠井祐子候補)「働く人の目線、主婦の目線、庶民の目線、みなさんと同じ感覚を政治の世界に持ち込み国を変えてまいります。一番にしたいのは教育の無償化です」
維新の松井代表と…吉村副代表は公示後、連日のように京都入り。ここを「最重要区」としています。
(日本維新の会 吉村洋文副代表)
「自民党でもない立憲でもない第3の選択肢、維新の会がここ京都にはあります。その旗手になるのが楠井さんなんです。」
さらに今回、維新の応援に回ったのが、かつて福山氏と民主党政権を支えた京都が地元の前原氏です。
(国民民主党 前原誠司代表代行)「今回、日本維新の会の楠井祐子さんを国民民主党は推薦させていただきました」
2016年の参院選では、福山氏を応援していた前原氏。
(2016年)「京都の代表としてこれほど素晴らしい人はほかにいない」
▽敵は誰?大混戦!野党の“異変”に自民の警戒
強固とされる前原氏の後援会メンバーも動いています。貼っていたのは、比例は国民民主党へ、選挙区は暗に維新候補への投票を呼び掛けるポスター。
(前原議員の後援会関係者)「私個人としては国民民主党とか立憲民主党とかではなくて前原誠司の一ファンですな。前原後援会は日本一だよ」
なぜ今回、前原氏は維新の応援に回ったのでしょうか?
(国民民主党 前原誠司代表代行)「もちろん福山さんにも頑張って頂きたいと思いますけど、枝野―福山体制で共産党と共闘された。我々は共産党とは全く相いれませんので。国家観、憲法観、そこは人間関係とは別に中道保守の軸は絶対ブレてはいけない。」
(日本維新の会 楠井祐子候補)「本当に心強いし逆に申し訳ないのは私の知名度が低すぎてといいますか、そこを本当に自分でもカバーしないとと思っています」
この状況に福山氏は…
Q. 維新の候補を前原氏が推すことについて
(立憲民主党 福山哲郎候補)「それは政治家の判断なので残念には思いますが、私はそのことに対してコメントはどこにもしていないので、それだけです」
立憲民主党と国民民主党の最大の支持母体・連合は、福山氏を全面支援しています。
(連合京都 廣岡和晃会長) 「正直申し上げると(前原氏が)維新の公認候補を推薦するということはびっくりですね。福山哲郎さんを落とせば大変だと、絶対落としてはならない、その思いでみんなと団結して勝ち抜いていくと」
福山氏と握手を交わしたのは、自民党の新人・吉井章候補です。
陸上自衛隊の駐屯地がある宇治市。応援に入ったのはヒゲの隊長こと元自衛官の佐藤参議院議員です。
(自民党 佐藤正久参院議員)「国防は最大の福祉だ。一瞬で我々の生活や生業が、ミサイルや戦車で粉々にされてしまう。自衛隊の皆さん、本当にありがとうございます。皆さまの一人一人の汗が日本の抑止力です」
(自由民主党 吉井章候補)「自分たちの国を自分たちで守り、そしてまた子どもたちが将来にわたって希望の持てる、夢の持てる日本をつくっていかなければならない」
野党候補が乱立したことで自民党有利に見えますが吉井氏は危機感を抱いていました。
(自由民主党 吉井章候補)「知名度がないのが一番だと思いますし。街頭でもしっかり皆さんに訴えていくというのが大事だと思います」
京都市議だった吉井氏の懸念は“知名度不足”。さらに…
(自民党 伊吹文明 元衆院議長)「ただ一つ“立憲”が良いこと言っているなと思ったことがあるね。京都のことはみなさん京都で決めようじゃないですか。」
自民党が懸念しているのは「同じ保守票を食い合う維新」の動向です。
(自民党京都府連 西田昌司会長)「今回の吉井さんの選挙で絶対に維新の勢力を伸張させない。これが一番大事なんです。もっと言えばはっきり言いまして、敵は“維新”」
吉井陣営が注力しているのは、後援会などの“組織固め”です。
(自由民主党 吉井章候補) 「たぶん4党で誰が勝ってもおかしくない、誰が負けてもおかしくないという状況です。どうぞよろしくお願いします」
▽序盤から早くも混戦状態!?“異変”の激戦区は
長年、京都で存在感を示してきた共産党の候補も…26日午後、志位委員長が応援に入りました。
(日本共産党 志位和夫委員長)「皆さん有力4人の候補者の中で“軍拡より暮らしが大事”きっぱり言っているのは武山彩子さん1人ではないでしょうか?」
(日本共産党 武山彩子候補) 「“1人のつぶやきから政治を動かす”、これが私の政治信条です。武山彩子は消費税減税と、最低賃金時給1500円、実現します。いくぞ国会、がんばります、ありがとうございます」
共産党の武山彩子候補。
(日本共産党 武山彩子候補)「みなさんに励まされています」
支援者「私の方が励まされてます」武山氏「ほんま?」支援者「お互いに」
武山氏の下には共産党の幹部が続々と駆けつけています。
(日本共産党 倉林明子副委員長)「私が3年前戦ったとき、9年前戦ったとき、序盤でこんな混戦にはなってなかったんですよ。」
同じ京都選挙区で過去2回連続当選している倉林氏。京都は全国的に見ても共産の支持が厚い地域とされています。
改選2議席のうち自民が1議席を取りもう1議席を民主系か共産が取ってきた京都選挙区。
(支持者)「国会行ってください」「ありがとうございます」
しかし維新が参戦したことで、その構図が一変。混戦に拍車がかかっています。
(日本共産党 武山彩子候補)「憲法、外交、安全保障の問題でも自民党、国民民主党、維新の会が言っているような政策と、共産党や立憲民主党がこれまで共同してやってきた政策とははっきりと違いが出たなと思います。立憲民主党の福山哲郎さんには引き続き国会で頑張って頂きたい。一緒に2議席が取れたらなと思っています。」
京都選挙区には、他にも5人の候補が…
組織のないNHK党の星野達也氏は、自分でポスター貼りをしています。
(NHK党 星野達也候補)「いま具体的にこれですっていうのは実はないです。でも生の声を拾い上げて、若者たちが求めているものを形にしていきたいなと思っています」
もう1人、NHK党の近江政彦氏はSNSを使った選挙戦を展開。
(NHK党 近江政彦候補)「年金受給者の受信料無料化、本当にそれを訴えていかないとなと思っております。思いはね本当に強いっす。参院選に勝ってNHKをぶっ壊す」
(新党くにもり 平井基之候補)
「みなさんが蓄財できるようなそういった経済対策を我々は掲げております。みなさまお一人お一人が豊かになることが、まず国防安全保障への第一歩なんです」
(維新政党・新風 橋本久美候補)
「戦後体制の打破というところを党是にしておりまして。アメリカGHQに押しつけられた憲法をまだ使っている。そろそろ独立して自主憲法を作っていく」
(参政党 安達悠司候補)
「色んな見方が本当はあるのに。例えばワクチン一つとっても、それがみんな安全だとういう方向で与党も野党もやってるわけですね。国民にはもっといろんな声があるんだってことを知ってほしい」
6月26日『サンデーステーション』より
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