国連の安全保障理事会で拒否権を行使した常任理事国に説明を求める国連総会の会合が初めて開かれました。“安保理の機能不全”が指摘されるなか、拒否権を行使した中国、ロシアはどのような説明をしたのでしょうか。
記者
「拒否権行使の説明を求める会合が初めて開催されます。当事国の中国とロシアのほかにも、あわせて80近い国が演壇に立つなど、国際社会の関心の高さがうかがえます」
今回の会合は、弾道ミサイルを相次いで発射する北朝鮮への制裁を強化する決議案に対して、先月、中国とロシアが拒否権を行使、その説明を求めるためで、こうした会合が開かれるのは初めてです。
中国の張軍国連大使は、制裁強化案を主導したアメリカを批判。
中国 張軍国連大使
「(アメリカができることは)北朝鮮への制裁で特定の分野は緩和したり合同軍事演習を止めたりすることだ」
こう話したうえで、制裁強化よりも北朝鮮との対話を優先すべきだと強調しました。ロシアの代表も、制裁強化は「問題の解決につながらない」「アメリカは無責任だ」と話し、拒否権の行使を正当化しました。
これに対し、欧米諸国からは…
アメリカ 国連次席大使
「残念ながら、彼ら(中国とロシア)の拒否権行使の説明は不十分で、信頼できず、説得力がないものだ」
5つの常任理事国に与えられた安保理での“拒否権”。1国でも反対すれば決議は採択できません。ただ、2月にもロシアがウクライナ侵攻を非難する決議案に拒否権を行使していて、新たな制度は拒否権の乱用を防ぎ、透明性を向上させる目的で作られました。
制度を提唱したリヒテンシュタインの大使はJNNの取材に「すでに安保理内の力学に変化が起きていると思う」と話し、意義を強調します。
リヒテンシュタイン ウェナウェザー大使
「この制度により、(拒否権を使うことへの)政治的な代償が大きくなることを望んでいます。そうなることで、拒否権を使うことが今より簡単なことではなくなる」
「平和の番人」であるべき“安保理”の機能不全、改革は進むのでしょうか。
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