「ロシア国営テレビ自体が反対論に傾いている」 ウクライナは“最後の拠点”で苦戦するも“6月に反撃”か?|TBS NEWS DIG

「ロシア国営テレビ自体が反対論に傾いている」 ウクライナは“最後の拠点”で苦戦するも“6月に反撃”か?|TBS NEWS DIG

ロシアが完全制圧を狙うウクライナ東部2州では、連日、大変な砲撃が続いています。“最後の拠点”セベロドネツクをめぐり、ゼレンスキー大統領が「重要なインフラ施設はすでに破壊された」と話す中、専門家は“6月に反撃”の可能性を指摘。東部の戦況は今後どうなっていくのか?相次ぐロシア国内での“戦争非難”の動きとあわせて見ていきます。

■“最後の拠点”でウクライナ苦戦

ホラン千秋キャスター:
ウクライナ国内の状況です。
ピンク色の部分はロシア軍が制圧したとみられる地域ですが、その地域は東部から南部にかけて広がっています。
注目するのは、ドネツク州とルハンシク州のドンバス地方と呼ばれる東部の部分ですが、ロシアはこの東部2州の完全制圧を狙っています。そのため、この2つの州に砲撃、攻撃が続いていますが、ルハンシク州にセベロドネツクという街があります。

こちら、ウクライナ側にとって“最後の拠点”ということで、ウクライナにとって“最後の拠点”であるならば、ロシアとしては完全に“取りたい場所”ということが言えると思います。

セベロドネツクがあるルハンシク州について、ルハンシク州知事が「州の95%がロシア軍の支配下にある」と伝えています。まもなくロシア軍に完全制圧されてしまうのかどうか。
そして、ゼレンスキー大統領も状況について言及しています。

ゼレンスキー大統領(29日)
「重要なインフラ施設はすでに破壊された。住宅の9割は損壊し、3分の2は完全に破壊された」

■ウクライナ“6月に反撃”か?

ホランキャスター:
このままいきますとロシア軍に制圧されてしまいそうな勢いでありますが、ロシア外交に詳しい廣瀬さんはこのように話しています。

慶應義塾大学総合政策学部 廣瀬陽子教授
「西側諸国は5月以降、ウクライナに対し『高性能兵器』の提供を始めている。6月には使用のための訓練を終え、反転攻勢に出る可能性がある」

ロシアからすると、「一筋縄ではいかないのではないか」という分析です。

井上貴博キャスター:
いよいよ一気にここからウクライナが盛り返すのではないかというふうに言われていますが、より終わりが見えなくなってきたとも言えそうですね。

慶應義塾大学総合政策学部 廣瀬陽子教授:
まさしくそういう状況になっております。東部の状況というのも非常に複雑で、もちろんセベロドネツクなどではロシアが積極的に攻撃をしかけているところもあるわけですが、東部全体で見ると、ウクライナが反転攻勢して取り戻しているような場所もあります。
ですので、マクロで見るとなかなかどっちが優勢とは言えない状況で複雑な展開になっておりますが、他方で南部ではロシアがロシア化を進めているというようなこともありまして、非常に地域差がある、複雑な状況になっています。

井上キャスター:
何か気持ちの持っていき方が難しくて、一刻も早く戦争が終わってほしいですけど、ウクライナ人の皆さんの戦う気持ちというのに私たちが外部から言う資格はない。でもロシアの思う通りにさせてはいけないと思う。どんな気持ちでニュースをご覧になっていますか?

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
本当にその通りですね。なぜなら私たちは何か価値観が崩されましたよね。例えばこういう地図を見ながら私たちは状況を聞くわけですが、地図を見て私がとても奇妙に感じるのは、「誰のものなんだっけ?」って。その住んでいる方々には本来、土地があったり家があったりしたのに、そこから逃げざるを得ない方々が多くて、今この土地を誰かが取り合っている。ロシアのものだとかいうときにすごく気持ちが悪いですよね。
こういうときに私たちが必要なのは、淡々と歴史を顧みながら事実を見る。でも一番大事なのは例えば1990年代、そのときに衝撃的だったのはゴルバチョフさんなどのいろいろな動きでした。“世界平和は対話の努力が必要なんだ”みたいなことを言っておられたことがとても衝撃で、それは変わらないなって。やっぱり私たちは事実を知って、どのように行動し続けるかということに注目したいなと思います。

■ロシア国内で“戦争非難”の動き相次ぐ

ホランキャスター:
私たちが感じるもどかしさや怒り、これは果たしてロシア国民の皆さんに届いているのか。ウクライナの現状はロシア国民の皆さんにしっかりと伝えられていないのではないか、ということが当初言われていましたが、ここ最近、ロシア国内でこの戦争を非難するような動き、戦争に反対する声というのが相次いでいるそうです。

5月16日、国営テレビの討論番組の中で退役大佐のミハイル・ホダレノク氏。この人物が「認めたくなくても、全世界が私たちに反対している」ということで、ウクライナ侵攻を批判するような発言をしました。

5月23日には元国連関係機関外交官のボリス・ボンダレフ氏は「ウクライナ国民のみならず、ロシア国民に対しても最も重大な犯罪だ」として、ウクライナ侵攻を批判。そしてこの発言を受けてということになるのでしょう、外交官を辞任ということになりました。

5月27日には、ロシアの地方議会で共産…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220530-6020734)

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