暮らしを直撃する値上げの嵐。そこで、暮らしやすい街としても知られる愛知県の大府市が、市民や事業者が負担する水道の基本料金を一時的にゼロにする方針を明らかにしました。
食品に電気、ガス、ガソリン…。生活する上で欠かせない、さまざまなものの価格が高騰し、頭を抱えたくなるような日々が続いています。
「スーパー行っても値上がりばっかりで、もやしとかも値上がりしている」(20代)
「電気代、ガス代、水道代…」(20代)
暮らしに重くのしかかる値上げを少しでも緩和しようと、愛知県・大府市が、市独自の経済対策を打ち出しました。
「ほぼ全世帯に恩恵がいきわたる水道の基本料金の無償化を決定した」(愛知・大府市 岡村秀人市長)
大府市は、7月使用分から半年間、個人差のある水道の使用料ではなく基本料金の無償化を決めました。(※請求は9月から)
対象は、市内の一般家庭や事業者など、およそ3万5千件。半年間で一般家庭の場合、およそ4000円、工場などの事業者では、1万円から2万円を超える金額が免除されます。
「市役所として市民生活、事業者の生活を応援するのに何ができるか考えた。公共料金の中で市が裁量を持っている水道料金に考えに行きついた」(岡村秀人市長)
市独自の今回の取り組みについて、市民に話を聞いてみると…
「子どもがいる家庭は出費がかかるので、対策してもらえるのは心強い」(20代)
「代わりにほかの税金が上がることはないですよね?」「皆さんが喜ぶことをやってもらえたらそんなありがたいことはない。ぜひやってもらいたい半年と言わず」(70代)
クリーニング店では、洗濯機などで使う水道料金が2か月間で3万円近くに
大府市にある「横根クリーニング」では、相次ぐ燃料費の高騰で打撃を受けていると訴えます。
「蒸気で仕上げるために、ボイラーを使うので。灯油などが全部値上がりしている」(横根クリーニング 渡辺健司さん)
クリーニング店では、アイロンなどでボイラーの蒸気を使い、商品を運ぶ車の燃料など石油関連製品が欠かせません。
加えて、新型コロナの影響で、冠婚葬祭が減り、礼服やドレスのクリーニングなど、売り上げ自体が減少しています。値上げをしたいのは、やまやまですが…
「お客さんの方も財政的にちょっと苦しいところもあるので、簡単に『はいそうですか』と上げられない」(渡辺健司さん)
店では、洗濯機などで使う水道料金が2か月間で3万円近くかかるため、今回の水道基本料金の免除による効果は、限定的です。それでも…
「売り上げ自体が下がっていて、水道光熱費が少しでも下がるというのであればすごくありがたい」(渡辺健司さん)
「やれることをコツコツとやるしかないんですけどもより一層、効率化してセールスして売り上げを上げていきたい」(渡辺健司さん)
(5月10日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)