1ドル130円に迫る勢い “悪い円安”が暮らしを直撃…外国産牛肉・ワインなど「輸入価格」ますます上昇 (22/04/24 11:00)

1ドル130円に迫る勢い “悪い円安”が暮らしを直撃…外国産牛肉・ワインなど「輸入価格」ますます上昇 (22/04/24 11:00)

1ドル130円に迫り勢いが止まらない”円安”。

 輸入価格の上昇で、私たちの暮らしへにも大きな影響が出始めています。

 北海道内外で12店舗を展開するステーキ店「ビーフインパクト」

 外国産牛肉を主に扱い、分厚いステーキを炭火でレアに焼き上げるのが特徴です。

 看板メニューは、1g7円からリブロースをたっぷりと食べられるビーフインパクトステーキ。

 創業以来、オーストラリア産にこだわってきましたが、2021年8月、値段が安定して品質も同程度のウルグアイ産に切り替えました。

 その理由が…。

 大東エンタープライズ 花田 孝志 常務:「オーストラリア産がなかなか手に入りづらい。価格が正直倍近くまで上がっている」

 オーストラリア産のリブロースの卸売価格は、2022年3月時点で1kg約3200円。

 前年同月比と比べて700円近くの値上がりです。

 大東エンタープライズ 花田 孝志 常務:「オーストラリアの干ばつ、原油高、コロナの影響で供給量が落ちている」

 そして今、追い打ちをかけようとしているのが「円安」です。

 ただでさえ苦しいのにさらなる仕入れ価格の上昇が予想されます。

 大東エンタープライズ 花田 孝志 常務:「6月、7月ぐらいの価格に大きく影響しそう。かなり厳しい状況だが、あからさまに値上げをしてお客様が減るよりは、企業努力で何とか価格を今のところは据え置く」

 円安の影響を受けるのはもちろん牛肉だけではありません。

 札幌市中央区の時計台ビルにある、キャビネ・ドゥ・ヴァン・サッポロ。

 キャビネ・ドゥ・ヴァン・サッポロ 大床 敏風 GM:「こちらの棚は自社輸入商品。フランス・ロワール地方のサンセールのワイン。(北海道でも)当店だけかと思います」

 フランス産ワインを自社輸入。

 コストを抑えながら、大手にはない独自のワインの品ぞろえが自慢です。

 キャビネ・ドゥ・ヴァン・サッポロ 大床 敏風 GM:「(Q円安の影響は?)秋の輸入に影響がある。少しでも安くていいものを届けたいので、円高のほうが輸入業者としてありがたい」

 市民も輸入業者も悩ます急激な円安が続いています。

 しかし円高になっても必ずしも暮らしが良くなることはないと言われています。

 そもそも急激な円安の理由は「日米の金利のギャップ」

 アメリカの長期金利は2.9%(4月19日)まで上昇。対して日本は0.25%。

 円を売って金利の高いドルを買う動きが世界中で起きて急激な円安が進行しています。

 このギャップを解消するには日本も金利を上げたら良いのではという意見もありますが、ニッセイ基礎研究所の上野剛志・上席エコノミストによりますと、たとえ金利を上げて円高にしたとしても、すぐに暮らしが良くなるわけではないと言います。

 つまり「コロナによる世界的な物価上昇」や「ウクライナ情勢の悪化」などが続くかぎりモノの値段はそれほど下がらず、それどころか金利上昇による「住宅ローン金利の上昇」や「景気悪化による収入減」が重なり”負の影響”が大きくなることもあり得ると警告します。

 日銀も「円安を押さえたいができない…」そんなジレンマに陥っていると言えそうです。

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