JNNは、ロシア軍が占領していた首都キーウ近郊の村を取材しました。そこで得た証言は、ロシア軍が民間人を殺害していたことが強く疑われるものや、住民の人権を全く無視した乱暴な行為を示すものでした。
キーウ近郊のマカリウ。一時、首都に迫っていたロシア軍が進駐していた街です。
記者
「これはお菓子屋さんだと思いますけど、まだ生菓子がそのままになっているので、日常にいきなり攻撃が加えられたという感じがします」
「迫撃砲が刺さってますね。あまり近づかないほうがいい」
そして、取材班は1か月間ロシアに占拠されていたアンドリーウカへ。
記者
「まだロシア軍が残した弾薬とか不発弾などがかあるので、我々もヘルメットと防弾チョッキを着て取材をすることになります」
目につくのはたくさんの弾薬用の箱。さらに未使用の砲弾も。付近にある民家の多くは焼け落ちていました。
その一つに住む溶接工のヴァディムさん(45)。
「私の車です・・・」
家に案内してもらうとロシア兵が掘った塹壕がありました。
ヴァディムさん(45)
「ここでロシア兵が暮らし、食事もしていました。ごみが散らかっています。これは携行食です、ロシア軍と書いてあります。彼らは民家からマットレスや毛布を奪ってきて、なんとか暖をとろうとしていました」
ロシアはウクライナが民間施設を軍事利用しているとして攻撃を正当化していますが、ここではロシア軍が民家を利用していました。そして撤退の際には。
ヴァディムさん(45)
「ロシア軍が撤退する最後の日のことでした、塀のところに砲弾や弾薬を積み上げ始めました」
ロシア軍は民家に保管していた弾薬をウクライナ軍に使われないよう、火をつけようとしていたといいます。
ヴァディムさん(45)
「兵士が言うには『司令官が燃やせと言ったんだ』と。妻が『どうしたらいいの』と聞いたら 兵士は『逃げろ』と。私は妻と逃げて隣人たちと合流したとき、次々に爆発が始まったんです」
ヴァディムさんの家も全焼してしまいました。ロシア軍が去った後、街の被害の様子も分かってきました。警察から道に放置されていた3人の遺体の身元確認を求められた際に見たのは。
ヴァディムさん(45)
「全員がはだしで後ろ手に縛られていて、頭を撃たれていました」
そのうち1人は知り合いでした。まだ行方不明の人が何人もいるそうです。のどかな村はおよそ1か月で、すっかり姿を変えてしまいました。それでもヴァディムさんは。
ヴァディムさん(45)
「生きていきますよ、絶対再建してみせます」
(11日15:44)
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