日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の会見で円安を容認する考えを示し、東京外国為替市場では一時、1ドル=119円台まで円安が進みました。
日銀・黒田東彦総裁:「円安が経済・物価を共に押し上げ我が国経済にプラスに作用している基本的な構造は変わりはない」
黒田総裁は日本の企業が海外であげた収益を国内に送金する際に「円建ての金額は円安によって拡大しGDPもプラスになる」と述べ、円安を容認する考えを示しました。
発言を受けて円相場は一時およそ6年1カ月ぶりの水準となる1ドル=119円台まで円安が進みました。
金融政策については原油価格の高騰などで消費者物価が「4月以降2%程度の伸びとなる可能性がある」としながらも引き締め策を取ると企業収益を悪化させ家計の負担を増やすとして「金融緩和を続ける」との考えを強調しました。
このほか物価の上昇と景気の停滞が同時に起こる「スタグフレーション」については「そういう恐れが日米欧にあるとは思っていない」と述べました。その理由として「資源価格の上昇は一時的なものでコロナ禍からの経済回復は明確だ」としました。
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