ロシアによるウクライナ侵攻の影響が思わぬところに出ています。私たちの健康にかかわる医療の分野で、あるものが高騰しているというのです。何が起きているのでしょうか?
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、歯の治療に使う材料が値上がりしています。それは…。
おかだ歯科 岡田 実継 院長:「歯科の保険適用になっている、12%金銀パラジウム合金のひとつ」
銀歯の材料として使われるパラジウム。世界の生産量の4割をロシアが占めています。情勢悪化に伴う供給への不安から、価格が急上昇しているのです。
おかだ歯科 岡田 実継 院長:「2月前半には30グラムで8万円。それが一時11万円と、約30%高騰した」
銀歯には健康保険が適用されるため、治療費が決まっています。そのため、材料費が上がっても治療費に上乗せすることができず、歯科医院の負担となっています。
しかし、今後さらに高騰が続くと患者への負担も増える可能性もあるというのです。
患者:「入れ歯などに使っているから、高くなったら困る」
患者:「困ります。他の国に頼るしかないんですかね」
おかだ歯科 岡田 実継 院長:「歯科医院にとっても患者にとっても、高い状態が続くのは良いことではない」
銀歯の材料となるパラジウムだけではありません。専門家はアルミニウムなど、他の金属の高騰が長期化することを懸念しています。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱 利廣さん:「短期間で終戦が実現したとしても、ロシアに対する経済制裁はすぐに解かれる可能性は低いので、高騰は相当長期化する。高騰する金属はフライパンなどの調理用品にも使われているので、金属製品の値上げが続くと日常生活に欠かせない物の値段も上がっていくことが予想される」
ロシアによるウクライナ侵攻の影響は私たちの暮らしに、じわじわとにじり寄っています。