ロシアの軍事侵攻により、ウクライナから多くの人が避難を余儀なくされています。その中には、首都キエフから60時間以上かけて脱出した日本人女性もいました。
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ウクライナ西部のリビウで8日、多くの市民が集まり涙していたのは、ロシアの軍事侵攻で命を落とした将校の葬儀です。
遺族をなぐさめる男性の口からは──
「きょうはあなたがこの場(葬儀)にいるが、あすはうちもお葬式をやります。自分の息子は爆撃が直接あたって体がない。でもあなたの息子は体が残っている」
男性も息子を亡くしていました。
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ジャーナリストの佐藤和孝さんは、市内の劇場を訪ねました。
佐藤さん
「以前ここは劇場だったのですね?」
男性
「ええ。戦争が始まってから2日目にシェルターに変わりました」
第二次世界大戦中も避難所になったという劇場。激戦地から避難してきた女性や子どもを優先して受け入れているといいます。
夫をキエフに残し1歳の子どもと避難した女性は──
女性
「けさ電話で話したら、 『(道路で)たくさんの人たちが殺された』って。友達も殺されてしまったのかも。子どもたちもたくさん」
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市民が集まる集会所で行われていたのは、布を細く切る作業。戦車や人を敵から見えにくくするためのネットが作られていました。ウクライナ軍に送るということです。
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国境に近いポーランドの街・メディカには、ウクライナから逃れてきた人たちが、連日、後を絶ちません。避難途中に寒さで命を落とす子どももいるため「医療用テント」が用意されました。
大使館で働くフランス人の夫と20年以上、ウクライナで暮らしていた日本人女性に話を聞くことができました。
ウクライナから避難した日本人女性(54)
「(キエフは)包囲されてましたので、キエフに残っている住民の安否は定かではない、ということを私たちも自覚して(避難した)」
5日前、女性の姿があったのはウクライナではなくスロバキア。スロバキア大使館の計画で、国外に避難することができました。
日本人女性(54)
「いまから15分以内にスロバキア大使館に来るように急きょ連絡をいただいた」
まさに直前に知らされた脱出計画。女性は首都キエフからモルドバ、ルーマニア、ハンガリーを経て、60時間以上かけてスロバキアへ。
日本人女性(54)
「この機会を与えていただけて、感謝しても足りない気持ちでございます」
女性は「脱出を望んでいる人が早く避難できるよう祈っています」とも話しています。
(2022年3月9日放送「news zero」より)
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