NNNと読売新聞が3月4日から6日まで行った世論調査では、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる岸田首相の対応について、「適切に対応している」が54%で、おおむね肯定的な評価となりました。3月の世論調査の結果について、政治部の竹内真デスクの解説です。
――岸田内閣の支持率は、前の月から横ばいの57%でした。今回は、ロシアがウクライナに軍事侵攻した後の調査となりましたが、この影響はどのようなところに出ましたか。
今回は「独立国ウクライナに対する軍事侵攻」という大きな出来事です。対応を誤れば岸田政権にも大きなダメージとなるところでしたが、現時点では、その影響は「ほぼ無かった」といえそうです。たとえば、日本政府が実施したロシアへの経済制裁については、「支持する」が8割を超えました。
野党などからは「判断が遅い」などといった批判もありましたが、ここまでの岸田首相の対応は「適切に対応している」が54%で、おおむね肯定的な評価となっています。
――そうなると、岸田首相はこのままの対応を続ければいいのでしょうか。
そう簡単ではありません。今回のロシアの力による一方的な現状変更が、「中国の台湾への武力行使など、日本の安全保障上の脅威につながると思う」と答えた人は81%に達しました。多くの人が「ロシアの軍事侵攻を、ひとごととは考えていない」ことがわかります。
ロシアは今のところ、ウクライナへの軍事侵攻をやめる気配はありません。こうした中で、中国は海洋進出を強めていますし、北朝鮮はミサイル発射を続けています。
ロシアへの対応を誤ると、日本の安全にも影響が出かねません。岸田首相にとって、今後も対応が難しい状況が続きます。
(2022年3月7日放送より)
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