大雪による暮らしへの影響が長引いています。暖気が続いたことによる建物の倒壊が相次ぎ、路面状況は悪化しています。状況が改善するのはいつになるのでしょうか?
水上 孝一郎 記者:「雪の重みで屋根が大きく崩れ、木材がむき出しになっています。被害は隣接する建物にまで及んでいます」
2月28日午後8時ごろ、札幌市豊平区で「空きビルが崩れてきている」と110番通報がありました。屋根が雪の重みに耐えられなくなり倒壊したとみられています。けが人はいませんでした。
近所の住民:「(別の人が)灯油を買いに行くときには崩れていなくて、戻ってきたら崩れていたと聞いた。5分から10分くらいの間に崩れたのでは。巻き込まれていたら、死んでいたかもしれない」
2021年に撮影された同じビルの外観です。
薄黄色の壁の部分が崩れ去り、原型がわからない状態に。周辺には木材などが散乱しています。
現在、札幌市が現場周辺の道路の通行を規制し、ビルの所有者の特定を急いでいます。
札幌市中央区でも2月28日午後3時40分ごろ、空き家の屋根が雪の重みで崩れかけているのが見つかり、歩道と車道の片側一車線が一時通行止めに。一夜明けた3月1日も歩行者は迂回を強いられました。
警察によりますと、この空き家は今後業者により解体される予定です。
また3月1日午後2時ごろ、札幌市豊平区で2階建ての空きアパートの屋根の庇部分が崩れ、大量の雪が落下しているのが見つかりました。
1階部分が雪に埋もれています。アパートに住人はおらず、けが人はいません。さらに倒壊する危険があるため、警察は周囲の通行に注意を呼びかけています。
三上 侑希 記者:「札幌市北区の創成川通です。車がずらりと並び渋滞しています」
連日の暖気は路面状況も悪化させています。札幌市内の道路は3月1日も渋滞。
タクシー運転手:「渋滞で仕事にならない。この時期だと普通は3車線出ている。こんなに雪はない」
小学校の通学路も歩きにくいだけではなく、危険と隣り合わせです。道幅が狭く雪山も高いため、車から子どもの姿を確認しにくくなっています。また、歩道にも大きな雪山があり、児童は身長の半分程の段差を登り登校しなければなりません。
路面状況の悪化は、冬の暮らしに欠かせない灯油の配達にも影響を及ぼしています。
ミナミ石油 奥平 英樹さん:「デコボコ路面で速いスピード出すと、タンク内の灯油が揺れて走りづらい」
家庭用の灯油タンクの周りには除雪された雪が積まれていることが多く、給油するのも一苦労です。配達するのにかかる時間が通常の倍かかるため、1日に回れる件数が大幅に減っているといいます。
さらに…。
ミナミ石油 見澤 圭司さん:「タンクローリーが住宅街の道路に入りにくくなっている。細い道などでは灯油の配達が不可能になっている」
車が入れず直接家庭用タンクに給油できないため、ポリタンクで灯油を配達するケースも増えています。記録的な大雪の暮らしへの影響はまだ続きそうです。