緊迫するウクライナ情勢をめぐり、アメリカとロシアが1日に協議しましたが、緊張緩和の兆しは、いまだにみえていません。ウクライナではロシアの侵攻を想定し、一般の市民を軍事訓練するなど生活に影響が出ています。
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ウクライナの劇場で踊る日本人、門馬美沙希さん(23)。首都・キエフの名門バレエ団に所属するプロのバレリーナです。
キエフ市内にある、門馬さんの自宅を訪れてみると、クローゼットの中はほとんど空になっていました。
門馬美沙希さん(23)
「緊急事態の時にどうなるかわからないので、すぐ帰国できるようにスーツケースに、ある程度必要な物は詰めています」
日本の家族や友人からは、毎日のように心配する声が届くといいます。
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今、ウクライナの国境付近では、ロシア軍が10万を超える兵力を集結させ、侵攻の懸念が出ています。事態打開のため、アメリカとロシアの外相が1日に協議しましたが、具体的な進展はありませんでした。
緊張緩和策として、アメリカは軍事演習の制限などを提案していますが、ロシアのプーチン大統領は「ロシアとしても問題は解決したいが、まだどうなるかはわからない」と述べています。
一方、キエフ市民からは「緊張は高まっていますが、平穏に暮らしています」といった声が聞かれました。
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街にも目立った変化はみられませんが、軍事侵攻への備えは着実に進んでいます。
集合住宅の一角を訪れ、暗い階段を下りていくと、40年近く前に作られた防空壕がありました。
記者
「かなり分厚い鉄のドアで20センチ以上あるでしょうか。非常に重いです」
核攻撃を想定して設計されていて、貯水タンクやトイレも完備されています。キエフ市は、ロシア軍が侵攻した場合に避難するため、空調や電気が使えるか点検を進めています。
キエフ市の担当者
「電力を喪失しても、手動で外の空気を部屋に送ることができます」
最大320人を収容でき、誰をこの場所に避難させるかもすでに決めてあるといいます。
一方、同じキエフ市の工場の跡地で行われていたのは、市民の軍事訓練でした。構えているのは銃ではなく、銃の形をした木の板です。約200人が参加し、中には女性や10代の子どもの姿もありました。
軍事訓練の指導員
「武器を下げずに照準を合わせる!ほっぺを銃にあてないで!」
市街戦を想定して、訓練は廃墟の中でも行われていました。
退役軍人が熱心に指導を行い、こうした訓練への参加者は日に日に増えているといいます。
子どもと参加した母親
「侵攻があったら何をすべきなのか(訓練で)知ることができます」
緊張緩和の糸口がつかめない中、“最悪の事態”への備えが進められています。
(2022年2月2日放送)
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